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龍馬のように語りたい〜坂本竜馬をコミュニケーション達人のモデルとしてみる


坂本龍馬は、出会った人々との間にラポール(信頼関係)を作る天才であるのも、
「竜馬がゆく」司馬遼太郎著 を読むと、よくわかります。


例えばこんな場面、
まだ19歳(だったはず!)の龍馬が、
長州藩(=山口県)の桂小五郎と初めて出会った時のことですーー

「(龍馬の)口から出る言葉の一つ一つが人の意表をつくのだが、
そのくせ、どの言葉も詭弁のようにみえて浮華ではない。
人をわなにかける言葉ではないのである。


自分の腹のなかでちゃんと温もりのできた言葉だからで、
その言葉一つ一つが確信の入った重みがある。
だまって聞いていると、その言葉の群れが、
小五郎の耳から心にこころよいすわりで一つ一つ座ってゆくのである。

(略)
同じ言葉でも、他の者の口から出れば嫌味にも胡散臭げにもきこえる。
ところがこの男(=坂本龍馬)の口から出ると、
言葉の一つ一つがまるで毛皮のつややかな小動物でも
一ぴき一ぴき飛び出して来るようなふしぎな魅力がある。

そのくせ、雄弁ではない。
体全体がしゃべっているような訥弁で、
そのうえ、ひどい土佐(=高知県)なまりなのである。」
第1巻p203から

司馬遼太郎さんの文章はさすがに絶妙で、この文章のチカラもありますが、
おかげで龍馬のコミュニケーション能力の奥深さがよく伝わってきます。


「自分の腹の中で 温もりのできた言葉」

「言葉の群れが、心にこころよいすわりで一つ一つ座る」


……それだから龍馬は、沢山の幕末の志士達の信頼を集めたし、
女性達にもよくモテたのですね〜〜。


龍馬のコミュニケーションや語る言葉を「ひとつのモデル(ロール・モデル)」としてみると、
人とのラポール(信頼関係)を最大化するコツを学べるーーと
私はおもうのです。


心理的なセラピーやコーチングにおいて、ラポール作りは最も基本前提となるでしょう。
お客様(クライアント)とセラピスト/カウンセラー/コーチの間に、
ラポールが築かれていれば、
それだけで最初の癒しと気づき(アウエアネス)は起こってくるものです。

営業や、サービス業のお仕事、
夫婦、恋人、子供、友人、同僚、部下、上司……
日常のあらゆるコミュニケーションにおいても、
ひとと信頼関係(ラポール)を作れることは、
とても大きな影響を与えますね。

「竜馬がゆく」を読んで、「龍馬という人物モデル」に
驚かされたり・感動するポイントは沢山ありますが……
ひとつ大きな「ツボ」は、自分と他者の間、
そして自分自身との間にも、
龍馬が「心のスペース(余裕)」を意識的にキープしていることがあるようです。

例えば、先ほどの桂小五郎との出会いにおいても、
桂小五郎は長州藩の警備担当、
龍馬はそれを探りに訪れた諜者=スパイとして出会います。
つまり、警察と容疑者の関係です。

それでも、「なに、ご遠慮なさるな、わしは諜者よ」と、
ありのままの事実を打ち明けて、
逆にスルリと一瞬で、小五郎のハートをつかんでしまうのです。

おそらく……「魂と魂の間合い」を、本能的に熟知している。
自分の目先の利害や安全確保にこだわらず……
相手の心の琴線、人間存在のエッセンスに、
ピンポイントで繋がることができる。

スゴイ超達人ですね〜〜。
私自身は、コミュニケーションがとても不器用な者ですが、
「モデルとしての坂本龍馬」に学んで、
龍馬のように語れるようになりたいです。

あるいは……「とても龍馬みたいにはできないな〜〜」
とも感じるかもしれませんが、心配ないのですよ。
すぐれた人物モデルを知り・学び・自分に気づくことで、
あなたのコミュニーションも進歩して行けるはずです。

江戸から明治へ大転換する時代、
私達の遠い先輩に龍馬のような人物がいたのは、
ウレシイことじゃないですか〜〜。

( )


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