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人それぞれの「地図」を尊重して、コミュニケーション2012年5月下弦の月号

「地図は現地ではない The map is not the territory」
ーーという、とても興味深く、味わいのある言葉があります。


一般意味論を構築した、アルフレッド・コージブスキーの言葉で、
NLP(神経言語プログラミング)という最新の心理学の前提のひとつとしても、
よく引用される言葉です。

「現地」とは、私達がその渦中にいる、ありのままの現実。
そして「地図」とは、生きている過程で作っている、
例えば、「世界とは、自分にとってこういうもの」とか、
「他人とは、自分にとってこういうもの」というような、
自分なりの見取り図のようなものでしょう。

つまり私達は、「ありのままの現実」を認識することは(ほとんど)できず、
「地図」をみて、それを現実と認識しているらしいのです。

そして、もうひとつ大切なのは、
この「地図」は、人それぞれにずいぶん違っているわけです。
例えば「やさしさ」という言葉を使う時ーー
ある人は、自分の母親の持っていた「やさしさ」を思い出すかもしれませんし、
別な人には、「自我の弱さ」みたいなことを考えさせるしれない。

ですから、人それぞれに異なる「地図」を持って、私達は生きている。
これを尊重し合おうーーという意味が、
この言葉には込められているようです。
お互いの「地図」の違いを、
丁寧にあつかうと、コミュニケーションがしやすくなります。

ビスケットのエピソード

「ある日、コージブスキーは学生達への講義を突然中断し、
白い紙に包まれたビスケットの包みを取り出した。
『何か食べたかっ たんだ』
などと彼はぶつぶつ言い、
前列に座っていた学生達にビスケットを勧めた。


『うまいだろう』とコージブスキーは言い、
さらに二枚目を取り出した。
学生達は元気 にビスケットを食べている。


……するとコージブスキーはビスケットの包みを覆っていた白紙を取り払い、
本来のパッケージを見せたのです。
そこには犬の絵が描いてあり "Dog Cookies" という文字が。

学生達はショックを受け、
二人の学生が手を口にあててトイレに向かって走り出しました。
そしてコージブスキーは言ったのです。


『みなさん、わかったでしょう。
これは人々が食べ物を食べるときに、
言葉も食べていることを示したのです。

食べ物本来の味は、しばしば言葉の味に劣ります。』」

ウイキペディア アルフレッド・コージブスキーの項目から引用

これはコージブスキー流のジョークでもあるでしょうし、
こうして、私達は「ありのままの現実」を体験しているのではなく、
言葉によって容易に操作される面もある、
私達は、自分にとっての「地図」を認識して生きているということを、
教えようとしたのでしょう!


コージブスキーという人物も、
「人それぞれの「地図」を尊重し合う」ということも、
とても人間的そして深い意味を持っている、
と私は感じます。

その日その時、目の前にいる人の、「地図」を尊重し合いながら、
関わり、コミュニケーションできたら……
とおもうのです。


いかがでしょうか?



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